忍者ブログ

辞世の言葉

Home > ブログ > 記事一覧

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

芥川龍之介


水洟や 鼻の先だけ 暮れ残る


芥川龍之介は三十六歳で自殺をしてこの世を去りました。
その際に残したのがこの句です。

かつて「短編」とは天才の代名詞でした。
その名作短編を若い頃に残し、徐々に徐々に才能を枯らしていき、そしてこの世を去りました。

”才能”というのは一つの欠落のようで、それを預かった人間はその穴を埋めずにはいられなくなる。
まさに才能に生き、才能に死んでいった芥川の生涯でした。
PR

有島武郎


愛の前に死がかくまでも無力なものだとは
この瞬間まで思はなかつた


一人の女性と心中を遂げた、有島が残した遺書の中の一節です。

梅雨の時期に一ヶ月以上遺体が発見されなかったため、有島の死体は腐乱が進んでおり、蛆虫の巣と化していました。死を前に愛を嘆く言葉は多いですが、愛を前に死を無力と見なす辞世の句は、人の心を打つ者が有ります。