2014/11/27 Category : 辞世の言葉 芥川龍之介 水洟や 鼻の先だけ 暮れ残る 芥川龍之介は三十六歳で自殺をしてこの世を去りました。 その際に残したのがこの句です。 かつて「短編」とは天才の代名詞でした。 その名作短編を若い頃に残し、徐々に徐々に才能を枯らしていき、そしてこの世を去りました。 ”才能”というのは一つの欠落のようで、それを預かった人間はその穴を埋めずにはいられなくなる。 まさに才能に生き、才能に死んでいった芥川の生涯でした。 PR
2014/11/26 Category : 辞世の言葉 有島武郎 愛の前に死がかくまでも無力なものだとは この瞬間まで思はなかつた 一人の女性と心中を遂げた、有島が残した遺書の中の一節です。 梅雨の時期に一ヶ月以上遺体が発見されなかったため、有島の死体は腐乱が進んでおり、蛆虫の巣と化していました。死を前に愛を嘆く言葉は多いですが、愛を前に死を無力と見なす辞世の句は、人の心を打つ者が有ります。